岡山県

倉敷美観地区ほか(倉敷市)

倉敷の古い町並みは全国で最も知名度の高い存在といえよう。観光客を集めている倉敷川畔の美観地区はちょっと整備されすぎの感じがするが、ほんの一筋裏道に入った本町通り沿いや東町の町並みは生活感もある。本瓦葺き、白壁づくりで、なまこ壁を効果的な装飾に生かした豪勢な商家が無数にある。天領だったこの町の富の集積の厚さを感じる。

   
  倉敷民芸館付近(倉敷市中央1丁目)2018.03.12     36×51p   
 
「”春に3日の晴れなし”というが、しばらく晴れが続き、しかも気温は20度前後」という天気予報を聞いて、その気になり、倉敷と尾道の宿を押さえた。倉敷は10年ぶりで、都合3回目のスケッチだが、これまで美観地区ではほとんど描いたことがないので、今回は美観地区を中心に描くつもりだった。しかし、行ってみるとあちらこちらで修復工事が目立つ。しかも月曜日のため大原美術館を初め休みの施設が多い。倉敷川が大きく曲がっている中橋あたりを候補に挙げていたが、ポイントとなる倉敷館(観光案内所)の建物が工事中でアングルを決めにくい。そのため、その隣の倉敷民芸館に焦点を当て、まず1枚。

朝の空気はまだ冷たいため、日当たりの良い倉敷民芸館対岸の「原綿積み降ろし場跡」に座った。月曜日は民芸館は休み、倉敷川を行き交うはずの川舟運航も休み。
 
 
 
   
  倉敷美観地区(倉敷市本町)2018.03.12     F6  
  倉敷での2枚目はほぼ同じ場所で”回れ右”をして美観地区の家並みを描いた。ちょうど川舟の乗り場があり、普段なら混雑してスケッチなどできる場所ではないが、この日は運航休止で、乗り場にはロープが張ってある。しかし、観光客の数は多くて、家並みを描くのにずいぶん苦労した。  
 
 
   
  倉敷美観地区裏通り(倉敷市中央、本町)2018.03.12     F6  
 
美観地区の倉敷川沿いの通りは観光客が溢れているので、一筋裏通りに入り、倉敷考古館の裏手辺りで描いた。この通りを反対側から描くのも魅力的だと思ったが、右の写真にあるように残念ながら道路工事中でどうにもならなかった。




 
 
 
   
  倉敷美観地区の路地(倉敷市中央1丁目)2018.03.12     F6  
  美観地区の中心部、倉敷川に面した旅館・鶴形と食事処・カモ井の間の路地を覗くと、倉敷らしくて感じが良いのでもう1枚描くことにした。倉敷のなまこ壁は、正方形を煉瓦積みしたような形状になっていて特徴的だが、スケッチする分にはまことに面倒。  
 
 
   
  東町(倉敷市)2018.03.12     36×51p  
  朝から休憩なしにスケッチしていたので少し疲れ、この日の最後にしようと少し離れた東町へ行った。東町は前回の訪問時にも描いていないが、大型の商家建築が軒を連ね、とても落ち着いた町並みである。観光客も少なく、のんびりスケッチできた。この日の宿は美観地区に隣接しているアイビー・スクエアを予約していた。少し早いがチェックインして、大浴場でゆったりと体を伸ばした。クラボウの工場跡を活用したアイビー・スクエアの売りは、蔦の絡まる煉瓦壁だが、蔦の葉がない冬場はお世辞にも綺麗とは言えない。  
 
 
本栄寺から(倉敷市本町、中央1丁目) 08.09.25   36×51cm 
所用で高松へ出かけた帰路に岡山で途中下車し、倉敷でスケッチすることにした。倉敷駅前のホテルにチェックインし、日暮れまで少し時間があったので下見をした。何しろスケッチポイントが多い倉敷なので下見は大いに役立った。さて翌朝。朝早いとまだ町に賑わいがないと思い、1枚目には俯瞰を選んだ。目の下に見事な本瓦葺きの屋根が並んでいる。左手の大きな屋根が「アイビースクエア」。右端の火の見櫓のあるところから左向こうへ、美観地区の町並みが続く。

きびだんご屋(倉敷市本町)08.09.25  F6
美観地区へ行くとウイークデーなのに観光客で溢れている。何人かスケッチしている人もいる。美観地区はその呼び方の通りさすがにきれいだが、うまく描けても絵葉書みたいになりそうで、どうも気が進まない。時おり雨がぱらつきだしたので、午前中に急いでもう1枚と思い、美観地区の一番端にある「きびだんご屋」を描くことにした。倉敷川の観光川舟がスケッチしている足元までやってきた。

重文・井上家あたり(倉敷市本町)08.09.25  36×51cm
さて3枚目。本命と考えていた本町通りへ行った。右手前のお宅は「井上家」という旧家で、江戸中期の建築といい、国の重文に指定されている。倉敷発展の初期に特権を持っていた「古録派」と呼ばれる13軒のうちの1軒だそうである。前の道は「共同溝」の工事とかで盛んに掘り返されている。まもなく電柱も撤去されるのかもしれない。

本町通り(倉敷市本町) 08.09.25      F6 
本町通りは、阿智神社のある鶴形山の山裾に沿うように湾曲しながら続いている。そのうえ両側には古い家並みが続くので、スケッチしたくなる構図が多い。もうすぐ東町という交差点の近くで描くことにした。小さなお堂が道端の岩盤の上に建てられているが、よく見るとこんなお堂にも「なまこ壁」の装飾が施されていて、さすがに倉敷。

阿智神社入り口(倉敷市本町) 08.09.25       36×51cm 
この日は曇天だったが、それでも午後遅くなると西向きでは逆光となり細部がよく見えない。というわけで今度は本町通りで東を向いて描くことにした。左手に「阿智神社」の入り口があり、右手は森田酒造場という造り酒屋である。正面の焼き鳥屋に食材を運んできたのか保冷車が止まってなかなか動かないので、ついでに描き込んでおいた。朝からがんばって描いたので、まだ陽は高いがこれで倉敷スケッチは打ち止めとした。帰路の車中のビールがうまかった。

本町(倉敷市)03・10・20     36×51cm
鞆の浦の帰りに倉敷へ立ち寄った。過去何回かこの町へ来ているが、絵を描き始めてからは初めての経験だった。
アイビースクエアの裏門を出たあたりの路地でイーゼルを立てた。月曜日というのにやはり観光客の数は多い。次から次へと覗き込まれ、声を掛けられ、まるで街頭の見世物である。Fさんはその間、大原美術館で本ものの絵をしっかり鑑賞してきた。1枚仕上げて、ちょっと贅沢にアイビースクエアで遅めのランチにした。

奥津町奥津温泉へ
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