大阪府

太平寺(柏原市)

09年8月に八尾市で開催された「河内を描く美術展」の出展作の中に、ブドウ畑の向こうに古い町並みが広がる素敵な構図の絵があった。聞けば、柏原市太平寺という場所だという。その景色を求めて出かけてみたが、実際に目の前にしてみると、絵がうますぎた印象。仕方なくブドウ畑の間を下って太平寺の町中に入ってみると、感じのよい坂道の路地風景があった。太平寺地区は「智識寺」という巨大な古代寺院があったとても歴史のある場所だそうである。

   
  太平寺のブドウ畑柏原市)2017.08.14    36×51p  
  曇りで最高気温はそう上がらないという天気予報を受けてスケッチに出かけることにし、柏原市太平寺に、少なくとも午前中は深い日陰になるポイントがあることを思い出した。集落の高いところを走る道路の南側が山になっていて涼しい日陰で描くことができ、目の前には魅力的な俯瞰風景と、まあ理想的なポイントである。緑色のなだらかなところはすべてブドウ畑で、正面の山腹に「柏原ワイン」の大きな看板が立っている。タイトルを考えていてフランス在住の野窓さんのことを思い出し、「太平寺のブドウ畑」とした。  
 
 
   
  太平寺の小路@(柏原市)2017.08.14    F6  
  2枚目以降は俯瞰していた家並みの中に下りて描くことにした。時々陽が差すので、日陰を優先して「石神社」という神社の近くの小路に座った。幸い道幅が狭いので、スケッチ中一度も車が来なかった。電柱のある交差点を左折すると、100年を超える歴史のあるワイン工場がある。  
 
 
   
   太平寺の小路A(柏原市)2017.08.14    F6  
  集落の中へ下っていくとき「ここはいいなあ」と思ったが、ちょうど陽が出ていて暑そうなので後回しにした。「石神社」付近の日陰で1枚描いた後、日が陰ってきたのを見計らって同じ場所に戻った。左手前の板塀から描き始め、ややこしい構図を楽しみながら描いたが、表現が難しい下り坂のため、少々手こずった。  
 
 
太平寺B(柏原市)2011.01.12     36×51cm      ●11河内展
八尾市で開催中の大先輩の個展を訪問したあと、柏原市太平寺まで足を延ばした。太平寺へは2回目だが、今回は日当たりの良い場所で描きたいと思い、集落の一番上を横切る道路へ出た。ところが近所にお住まいのご婦人によると「ここは風の通り道」だそうで、風が強くてとても寒い。「正面の右側には六甲山、左側には淡路島が見え、これほど見晴らしの良い場所はありませんよ」とその奥さん。この正面はちょうど堺市あたりだが、この日は遠くの山は見えず、ぼんやりとした家並みがとこまでも続くばかりだった。

太平寺C(柏原市)2011.01.12     F6
風が強い場所で上の絵を描いたら十分に体が冷えたので、もう帰ろうと坂道を下り始めた。ところがその坂道で、私と同年輩と思える男性がスケッチブックを広げておられる。こんな寒い日にもの好きなことと思い、声を掛けると「カメラは長いことやっているが、スケッチは初めて」といわれる。「それでは私ももう1枚」とこれまたもの好きなことである。そのうちに右側のお宅やその下のお宅の人も出てこられ、井戸端会議の雰囲気。路上で熱いお茶までごちそうになった。

太平寺@(柏原市)09.09.18    36×41cm
太平寺はブドウの産地で、スケッチした場所の後方にはワイン工場もあった。ところでこの絵は36×41cmというサイズ。普段使っている36×51cmの紙に左側から描いていき、必要な部分だけ描いて、右側を白紙で残した結果である。先日、与堂さんとご一緒し、こうした紙の使い方をしておられるのを見て「目からうろこ」であった。

太平寺A(柏原市)09.09.18    F6    
ほぼ同じ場所で2枚目を描いた。近所の人によると、ここはとても人気のあるスケッチポイントで、先日も10人近い人が描いていたという。どこかのグループがここでスケッチ会を開いたのだろうが、道幅がとても狭いだけに、多分、近所迷惑だったという意味であろう。

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