ジリリリリリリリ

 

目覚まし時計の音で目が覚める。

ベットから手を伸ばし目覚まし時計を止める。

カーテンの隙間からは朝の日差しが差し込んでいる。

 

「ん〜〜っ」

 

私は寝転がったまま伸びをする。

 

「ん?」

 

しかし体が思うように動かない。

鎖かなにかで縛られているような感覚。

重い瞼をこじ開けて自分の体に目をやる。

私を縛っていたもの、それは……

 

理樹くんだった。

 

 「理樹くんの甘えんぼ属性っ!」

 

 

 

仰向けの私に横から抱きついている少年。

直枝理樹。 私の大切な仲間の一人でもあり、最愛の人でもある。

あの世界から帰ってきた私たちは付き合いだした。

 

「理樹くん、起きたまえ」

「ん〜、やだぁ」

 

私の鎖骨の下辺りに顔を埋めている理樹。

 

「あのな、色々聞きたいことはあるのだが、まず顔をどけてくれないか?」

「ふぇ? なんでぇ?」

 

まだ眠そうに答える理樹君。

 

「まず、私は制服に着替えたいのだが?」

「んー、もうちょっとだけ……ね?」

 

その言葉のあとに顔をスリスリしてくる。

 

「ちょ、やめないかっ、こらっ、くすぐったいだろ!?」

「じゃ、こうしてても良い?」

 

直枝理樹100の必殺技その23「上目遣い」が発動した。

 

「っ!?……はぁ、もう好きにしたまえ、しかしあと10分だけだからな」

「はーいっ」

 

元気よく返事をすると再び理樹君は顔を伏せた。

 

部屋に響くのは時計の音。

私の呼吸の音。

理樹君の鼻歌。

 

「なぁ理樹君?」

「なぁに?」

「なぜ私の部屋に?」

 

ご機嫌な様子の理樹君に尋ねてみた。

 

「あ、来たのはさっきなんだけどね」

「そうなのか? 起こしに来てくれたのかい?」

「ううん、夢で唯湖さんとデートする夢を見たんだ」

「ふむ」

「それだけ」

「ふむ……は?」

「だから、それで会いたくなっちゃったの」

「いや、学校で会えるではないか?」

「すぐに会いたかったのっ!」

 

いや、何でちょっとキレているんだい?

 

「わ、わかった、会いたくなってしまったのは分かった」

 

私は理樹君の頭をポンポンしながら理樹君をなだめる。

 

「う〜っ」

 

必殺技その24「潤んだ瞳の上目遣い」が発動した。

 

「ん、すまんなコッチだな」

 

私はそう言ってポンポンからナデナデに変えた。

 

「うんっ」

 

理樹君は幸せそうに微笑む。

 

「しかしな理樹くん?」

「ん?」

「会いたくなったのは良い、だが女の子の部屋に無断で入るのは失礼だとは思わないかい?」

「……」

 

理樹君は黙って顔を埋める。

 

「なぁ理樹君?」

「……」

 

無言。

 

「ほほう、おねーさんを無視するとは良い度胸だな」

「……」

 

わずかに理樹君の肩が揺れているのが分かる。

 

「り、理樹君?」

「……う、うう」

少し呻き声が聞こえる。

「ちょ、悪かった、私が悪かった、だから、な?」

「だって、だってぇ、唯湖さんがぁ、唯湖さんがぁぁ」

「な? 落ち着くんだ、いい子だから、な?」

「唯湖さんのばかぁぁあああああああああああぁああああ!!!」

 

必殺技その69「あまりにも理不尽すぎる逆ギレ」が発動した。

 

「唯湖さんのバカバカバカバカァ!! だって会いたくなっちゃったんだからしょうがないじゃんかぁ!!

そうやっていつも僕を邪険に扱うんだ!! 僕は唯湖さんのこと凄く好きなのにぃいい!!」

 

え? 悪いのは私なのかい?

 

「唯湖さんは僕のこと嫌いなんだぁ!! だから冷たくするんだぁ!!!

僕なんて居なくなればいいんだぁあああ!! うわああああああああん!!!」

 

私は暴れる理樹君を押さえつける。

 

「離してよぉ!! 退いてよぉお!!! もう帰るもん!!!」

「理樹君……んっ、んん……ちゅ、ん……ぷはぁ」

 

少し長めのキス。

理樹君は暴れるのをやめ、目をトロンとさせている。

 

「理樹君、遅くなったがおはようのキスだ」

「唯湖さん……」

「スマンな、君の気持ちも考えないで。ただ私を好いてくれていただけなのにな」

「ううん、僕もワガママ言い過ぎたよ、ごめんね」

 

今度は理樹君からのキス

 

「んっ……んん!」

 

理樹君の舌が私の唇を割って入ろうとしてくる。

 

「んっ、待て理樹…君……まだ歯磨いて…んんんっ」

 

まるで私を制止を無視するかのように、私の口内へ理樹君の舌はたどり着いた。

 

「あっ…んん……ちゅ…んっ」

 

長い、長い、大人のキス。

時が経つのを忘れてしまうほどの至福の瞬間。

 

「んはぁ……はぁはぁ」

 

重ねてた唇を離す。いや、交わっていたと言った方が正しいのか?

 

「学校行かない」

「機嫌を直してくれたのではないのか?」

 

理樹君はまだ私に抱きついたままだ。

 

「今日はずっとこうしてたい」

「無茶言うな、今日は大事なテストがあるだろう?」

 

頭を撫でながら話す。

 

「ないよ」

「いやある、数学のテストだ。 進級に関わるだろう?」

「影武者を使う」

 

必殺技その87「持つべきものは友達」が発動した。

 

「ふぅ、誰にやってもらうんだ?」

「恭介」

 

そう言うと理樹君は携帯を取り出した。

 

「本気か?」

「うん、恭介なら喜んでやってくれるよ」

「しかし容姿の問題がな……」

「大丈夫だって……あ、恭介? うん、おはよう。今日さ唯湖さんと一日一緒にいたいんだ」

「ちょ、理樹君っ!? 何をいって……」

「そうそう、影武者。あ、OK? ありがとねー、はい、バイバーイ」

「OKだったのか?」

「うん、ぃやっほおおおおいって言ってたよ」

「恭介氏はそんなに影武者が好きなのか?」

「と言うよりは僕らのクラスはバスターズが揃ってるからね」

「なるほどな、皆と授業が受けれて嬉しいわけか」

「そういうこと」

「私の影武者はどうするんだ?」

「唯湖さんは数学は大丈夫でしょ? と言うか成績も問題ないじゃない」

 

理樹君はニコっと微笑む。

必殺技その24「無垢な笑顔の中の野獣」が発動した。

 

「ふぅ、仕方ないな、今日だけだぞ?」

「うんっ」

「とりあえず私はシャワーでも浴びてくるよ」

「じゃあ僕は背中でも流すよ」

 

必殺技その55「ある意味プロの犯行」が発動した。

 

「ふむ、話の流れは自然だが却下だ」

「えー」

「後でしっかり相手をしてやるからな、理樹君は私の下着でも物色しててくれ」

「はーい」

 

そういって理樹君は私の腰に手を掛ける。

 

「な、何をしているんだい?」

「え? いや、魚も野菜も採れたてが一番って思って」

「それにパンツは含まれないだろう?」

「いや、中世のヨーロッパでね、パンツは脱ぎたてじゃないと嗅がないって言う格言があってね」

 

必殺技その12「トリ○ア以下の無駄知識」が発動した。

 

「待て、それを言った人物の名前は?」

「オーパンツ鏡ぁ

「少しは捻る努力をするんだ、あと祇い鮠椶靴知りたいものだ」

「だめ?」

「なら理樹君は脱ぎたてのパンツをくれと言われてイヤではないか?」

「あ、ちょっと待って脱ぐから」

「えっ、いや、今のは例えでだな……」

 

なぜか私の目の前には下半身丸出しの理樹君が。

必殺技その6「下半身はライオ○キング」が発動した。

 

 

「理樹君」

「なあに?」

「もういいから、背中を流しておくれよ……」

「はーい」

 

脱ぎたてのパンツを嗅がれる。

お風呂で背中を流してもらう。

 

どっちが良いって、なぁ?

 

前者じゃ理樹君しか満足できないじゃないか。

 

 

洗面所の鏡に映る裸の自分。

幸せに満ちて、ニヤケ顔の自分。

それを見て、ああ末期だなと思う自分。

 

これが恋の病だと言うのなら、墓までこの病と共に行くさ。

 

「唯湖さぁん! まだぁあ?」

 

バスルームで理樹君が私を呼ぶ。

 

「ふっ、明日は筋肉痛かな」

 

髪のリボンをはずして愛しい人のもとへ向かう。

 

なに、やられっぱなしは私らしくないだろう?

 

 

 

 

 

 

 

その頃、理樹君の教室では。

 

「お前、棗だよな?」

「いいえ、先生、僕は直枝理樹です」

「いや、俺、お前のクラスの担任だし」

「いいえ、先生、僕は直枝理樹です」

 

棗恭介100の必殺技その19「コピー&ペースト」が発動した。

 

「待て待て、お前のノートに棗恭介って書いてあるじゃないか」

「いいえ、先生、僕は直枝理樹です」

「なんなら教科書もお前の学年のものだろう?」

「いいえ、先生、僕は直枝理樹です」

「なつm」

「いいえ、先生、僕は直枝理樹です」

「な」

「いいえ、先生、僕は直枝理樹です」

「すまん、先生が悪かった……じゃあ直枝、この問題を解いてくれ」

「分かりません」

「お前、もう帰れよぉおお!!!」

 

 

 

おわり

 

 


あとがき

 

リクエストです。

「ハグ・キス分大盛で俺が卒倒する位甘いの」

兄さん、これで勘弁してください・・・。

大盛りじゃなくてすみません。

 

 

 いかがだったでしょうか?

私の実力ではこれが限界です。

というか途中からギャグでしたね。

どうも甘いのは苦手です。

キスの描写は体に毒です。

恥ずかしすぎる。

 

そして直枝理樹の100の必殺技の残り92個を募集します(え

もう、響きがよければなんでも良いです。

100個集まれば、きっと睦月がHな絵を描いてくれるハズな予定なアレでサムシングです。

 

では、卯月でした。