_ねぇ、アナタは幸せだった?

それが僕が聞いた彼女の最後の言葉だった


 

___「着想」




 

_ねぇ、大好きよ


彼女が僕に喋りかける
でも僕は何も返さないんだ


_ねぇ、一緒にいてちょうだい


彼女の吐息が僕の身体をくすぐる


_ねぇ、私じゃダメなの?



僕は押し黙る
理由なんて僕にも分からないから


_……何でよ……


彼女の声が震える
涙が僕の身体を伝う



_……何でよ………何でよ…………何でなのよぉおおおおお!!!


彼女がヒステリックに声をあげた


_……うっ……うぅ…



一分、二分すすり泣きが続いただろか


彼女は自虐的に笑って、口を開いた


_……私は…私は幸せだったわ


何かを懐かしむように、同時に何を悲しむように、力なく微笑みを浮かべている






彼女がギュっと僕を握った






_ねぇ、アナタは幸せだった?



わずかな沈黙




そして彼女の叫び声と共に僕は壊れた


これでおしまい

ぜんぶ終わり



_ねぇ神様

_もし僕が生まれ変わるなら

_彼女を抱きしめる腕を

_意志を伝える術を

_笑顔を見る瞳を


_どうか神様


_僕に


_ねぇ神様

 

 

_壊れてしまった僕は二度と着信することはないだろう

_哀れな冷たいこの身体

 

 

終わり

 

 

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