訳本一覧
カールニツキー「宇宙の数学」(1962年第1刷、東京図書)
ロシアの中等学校の数学教育の実践の中で、生徒の宇宙について認識を確実に伸ばし、
数学の基礎知識と応用能力を身につけさせることをねらいとした本。
付録にはドイツの宇宙ロケットと人工衛星に関する論文も載せてある。
ある高さhから地平線までの距離公式(視界距離)がロシアではhが地球の半径Rにくらべて、
一般に非常に小さいことからhの2乗の項を省略してd=2hRの平方根としているのに対して、
ドイツではhの2乗の項を無視できるのはせいぜい望楼の高さまでとし、d=2hR+h^2の平方根を用いている。
この訳本は私(山崎)の第2の訳本で、数年間、重版が続いた。
コロソフ「数学課外よみもの(T)」(1964年第1刷)、(写真左)(1973年第8刷り)(写真右)
「学校の授業では時間がたりないため、授業で学んだ素材を掘り下げたり、その実際的な応用をもっと広く示したり、
数学史からの知識や、数学に新しい思想をもち込んだ学者たちのことについての知識を伝えることは十分でない。
この本はそれらのことをいくらかでも解決しようとして、8学年程度(わが国の中卒程度)の読者向きに書かれたものである」。
(訳者あとがきから)
(牧野金太郎さんと共訳、東京図書. なお、(U)は木村君男訳)
ドブロチン「宇宙線」(1965年初版、明治図書)
「この本は宇宙線研究の歴史を語りつつ、数々の素粒子の発見、シャワー現象や地球をとりまく放射線帯などの発見の業績やそれらの意義についてもわかりやすくのべている。…ガガーリン少佐による人類史上初の宇宙飛行など宇宙研究開発に熱を入れているソビエト(ロシア)でこのような普及書がでていることにも大きな関心が持たれると思う」(訳者あとがき から)松野武さんと共訳、明治図書の「シリーズ 現代の科学」第4巻。
ソロドブニコフ「微視世界からのシグナル」(1965年初版、明治図書)
「これから述べようとする磁気共鳴の方法は物理学ばかりでなく、化学や生物学にも広く応用されるようになった新しい新しい物理的方法の1つである。・・・この本では、磁気共鳴の基礎を述べ、さらにそれらがいろいろな科学的研究に応用されることを示す」(原著者「はじめに」の長文からの抜粋)松野武さんと共訳、明治図書の「シリーズ 現代の科学」第3巻。
フランク‐カメネツキー「プラズマとはなにか」(1966年初版、明治図書、「シリーズ・現代の科学」第10巻)
「この本の目的は初めての読者に、プラズマに関する科学の知識を紹介することにある。・・・この本は手軽な読み物としてではなく、プラズマについての知識を放蕩に必要とする読者のために書かれた。」(原著者の「ことば」からの抜粋)松野武さんと共訳。
目次は4部からなり、第1部は「物質の第4の状態―プラズマ」「プラズマはどのようにしてえられるか」など10項目、第2部は「導電流対としてのプラズマ」など18項目、第3部は「プラズマの磁気流体的不安定性」など15項目、第4部は「偶然的な過程」など9項目。
訳者あとがきから―「高温プラズマによる制御熱核融合反応1つをとってみても、もしその実験に成功して実用化すれば、・・・核分裂反応とちがって放射能の危険も爆発の危険もなく、しかも原料としては無尽蔵の海水を用いることができるとあって、完全な意味での原子力平和利用の実現であり、人類はほとんど永久にエネルギー源についての心配がなくなるわけである。」