taboo






あれから何度かイかされて、もうそろそろ頭がぼーっとしてきた頃。




「んっ・・・・」



突然ローターの動きが止まった。

そして、するするっと口を塞いでいたタオルが外される。
「っは・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
久しぶりの新鮮な空気。それでも、ナカのローターが抜かれる事はなく、圧倒的な違和感を残している。
私は虚ろな目で、仲崎さんを見上げた。
「なか、ざ、き・・・さん・・・・コレ、抜いて――――」




「イイ事、思いついた。」




「・・・え?」
仲崎さんは突然にやっと笑うと、手に巻きつかれたタオルを取った。
そしてご丁寧に、少し乱れた服まで元に戻される。

でも、

「あ、の・・・」
ローターは入ったまま。


仲崎さんは私の言葉に全く耳を貸さず、私を元通りの服装にした。



「立て。」
例の如く、命令口調で言う仲崎さん。
私は手を引かれるままに、すとんと机から降りた。
「っん・・・・」


圧倒的な違和感。

挿入されたままのローターは、立つことで少し、奥に入り込む。




「な、仲崎さ―――――」

「ついて来い。」




「・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

すると、仲崎さんは私の言いたい事なんて全く無視して、会議室を出て行こうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください――――んっ!」
歩み寄ろうとすると、ナカでローターが動く。
その感覚が、堪らなく甘い刺激を与えてきて――――

「工藤。」
すると、仲崎さんは仕事場用の呼び名に戻っていた。
が、その顔にはまだ、あの意地悪な笑みが張り付いている。





まさか、








「今から出来上がった台本と今度のロケ資料を取りに行く。工藤、そのままついて来い。」







にやにやしながら“そのまま”の部分を強調する仲崎さん。




鬼だ、悪魔だ。


ローター入れたまま、色んな人がうろうろしてる局内を歩けと?


「そ、そんな、の・・・」
「工藤、抵抗は駄目だ、と何度も言った筈だぞ?」
私を“工藤”と呼んでも、顔はあの、契約の時の顔。


最悪だけど、私に拒否権は無い。




まさか仲崎さんが、ここまで・・・
「へ、変態・・・・・!」


だったなんて。




私は目を潤ませながら小声で呟いた。
すると突然、ナカのローターが動き出して。

「っきゃぁ!」

いきなり動き出した所為で驚き、思わず声を挙げてしまう。
そして、その無機質な刺激に、たまらず甘い声が漏れてしまう。





「抵抗は、許さないと言っただろ?ほら、止めて欲しいんなら、ちゃーんと謝れよ。」





にやにやしながら言う仲崎さん。


本当に鬼だ。





「す、みません・・・っ!・・・でした・・・」

「よく出来ました。」




仲崎さんが言うのと同時に、ナカで蠢いていたローターの動きが止まる。
「・・・はぁ・・・・・・」
やっと止まった刺激にため息をつき、仲崎さんの方を睨んだ。




「行くぞ、工藤。」




私の睨みをものともせず、にやにや笑いながら言う仲崎さん。




「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」








『変態!悪趣味!』


そう罵りたい気持ちをぐっと堪えつつ、心の中でこっそり叫んだ。





















スタスタと姿勢良く前を歩く仲崎さん。


そして、その後ろを黙ってついていく私。



一見、普通の光景に見えるだろう。
というか、そう見えてもらえないと私は恥ずかしくて死んじゃう。

『うう〜〜〜〜!』
秘部に残る、違和感。
私はひたすらそれと格闘しながら、いつもより少し小さな歩幅で仲崎さんの後を歩いていた。

そして、この変態じみた遊びを思い浮かんだ張本人はとういうと。
「おつかれさまです。」
いつもの涼しい顔で、知り合いであろうタレントさんに挨拶をしている。
『もー!こっちは必死なのに!』
私は仲崎さんの背中を一睨みし、ふくれっ面のまま、視線を足元に落とした。




だって、通りすがる人皆に、見透かされてるような気がして。




いや、被害妄想だって分かってる。
これだけ服装整えてて、まさか、奥深くに入り込んでるローターが見えるわけがない。
けど、

『やっぱ・・・』
周りの目線がすごく気になる。
何度か「おつかれ〜」って言われたけど、まともに答えられなかった。
『・・・全部、仲崎さんの所為だ!』
私はまたふつふつと仲崎さんへの不満がこみ上げ、睨もうとした。



その時。





「っわ!」

突然立ち止まった仲崎さん。
その背中に、どん、とぶつかってしまった。
「な、仲崎さん?」
「お久しぶりです、笹田さん。」



笹田さん?




私は、仲崎さんの目線の方を見た。

すると、そこには超大御所の、笹田亀次郎さんが居て。





「仲崎くん。いやぁ、前の食事の時はすまなかったねぇ。」

仲崎さんが担当している“遺産歩き”の大御所さん、笹田亀次郎。
昔からシリーズ物の映画で主演をはっており、超がつくほど有名な俳優さんなのだ。



しかも、話の流れからすると、前のあの会食をドタキャンしたのはどうやら笹田さんみたい。

こんな大御所さんから食事に誘われるなんて・・・仲崎さんって、やっぱり仕事の面では凄い。






私は心の中で関心しながら2人のやりとりをぼーっと見ていると、
「お?こっちの子は・・・」
側で黙って突っ立ってる私が気になったのか、突然、笹田さんが話しかけてきた。

『もー・・・こ、こんな時に・・・』
状況が状況なだけにあまり話したくないけど、相手はあの笹田さん。
『挨拶、しなきゃ・・・』
「あ、ADの工藤です。」

あまり目を合わせないように頭を下げる。
すると、
「キミ、どこかで見たような・・・」

あぁ、多分あの時のことだ。
私は前一緒になった番組の事を思い出し、言おうと顔を上げた。







その時、









「あの、以前森林保護のドキュメンタリーでご一緒―――――――っ!!!」










本当に、突然。



今まで全く動いてなかったローターが、突然、動き出して。








「ん?どうしたんだ?」
「あ、い、いや・・・なんでもない、です・・・・」

どうやら振動は弱らしい。
さっき体験したから、多少は慣れたけど―――――
『ぃ・・・や・・・・』
駄目。やっぱり、刺激に耐えるのは、キツイ。


私は奥歯を噛み締めながら、隣にいる仲崎さんにちらっと目をやった。

すると、


『わ、笑ってる・・・・』
大御所さんの前で使う、営業用スマイルじゃない。あの、意地悪な笑みだ。
「キミ、本当に大丈夫か?顔赤いし、苦しそうだぞ?」
「あ、いや・・・・」
「コイツ、ちょっと今日風邪気味みたいで。」
ニコニコ・・・いや、にやにや笑いながら言う仲崎さん。
この人、本当に悪魔だ。



私は必死でローターの刺激に耐えながら、やっとの思いで呟いた。
「は、い。あの、ちょっと最近風邪で・・・」
感じているのをどうにか悟られまいと、弱々しくなりながらも笑顔を向ける。

すると、笹田さんは心配そうに、
「この時期の風邪は大変なんだから、ちゃんと仕事休んで、治すんだよ。」
「は、はい。ご心配、おかけしました・・・」
噂に聞いてたけど、やっぱりとても優しくて良い人な、笹田さん。
でも、今はとりあえず、直ぐにでもこの場を立ち去って欲しい。

「じゃぁ仲崎くん。また、誘わせてもらうよ。工藤さんも、風邪ちゃんと治しなさいね。」
「あ、はい・・・・」
「はい。楽しみにしています。」
表向きはさわやかな笑顔を浮かべる仲崎さん。
私には、どう見ても意地悪な笑顔にしか見えないけどね・・・・・・




とりあえず、去っていく笹田さんの背中を見送る。
それと同時に、ナカで蠢いていたローターが、止まった。

「っはぁ・・・・」

私はローターが止まった安堵からかため息をつき、仲崎さんを睨んだ。
すると、



「行くぞ。」
すでに背中を向けていた仲崎さんは、スタスタと歩みを進めていて、
「―――――――!!!」






『仲崎さんの、馬鹿ー!!!!!』






私は心の中で叫びながら、しぶしぶ仲崎さんの後をついていった。




















そして、資料を持ったまま元の会議室に帰ってきて。


バタン、と扉が閉まるのを見届けてから、仲崎さんに向かって怒鳴った。

「な、なんて事するんですか!!!!」



私が怒鳴ってもこちらに顔をまったく向けない仲崎さんに、私はつかつかと歩み寄る。
「へ、変態!悪趣味!あんな大御所さんの前で、う、動かして!ホントなんて事―――――」
「お前が、なんて顔してんだよ。」





「―――――――え?」


小声で呟いた瞬間、私はなぜか、机に押し倒されていて。


「仲崎さん?」
「あんな顔して――――お前、誘ってんの?」
「は?さ、誘ってなんか――――――」
すると、そのまま仲崎さんは首筋に唇を這わしていて。
「い、や・・・仲崎さん、痕、見えちゃ――――」
「見せとけばいいじゃねーか。るか。」
「ん!」
いつのまにか服の中に進入していた手が、秘部をすっと撫でる。
そして、ずるっと抜かれるローター。






さっきのでもう“遊び”は終わりだと思ってたのに。



私は困惑しながら、仲崎さんに言った。
「あ、あの・・・もう、終わりじゃ・・・」
「お前が、煽るのが悪い。」
「な!だ、だから煽ってなんか――――――」
反論している間にも、仲崎さんは素早く足を持ち上げていて、










「な、仲崎さ――――――!」


「無理。」













私の抵抗も虚しく、そのままぐっと挿入されて。



「っやぁ!」

防音設備が施されてない会議室だという事も忘れ、思いっきり声を挙げてしまう。
『だ、だめ――――!』
とにかく声を抑えようと、私は咄嗟に自分の口を塞ぐ。






今まで一度も局内で抱かなかった仲崎さん。

仕事とプライベートはきっちり分けるタイプなんだと思ってた。

けど、そのルールも、今日で崩壊?


「ん!・・・っ・・・んん!」
止まる事のない律動に抗うすべもなく、ただ声を出さないように口元を押さえる手に力が篭る。
すると、仲崎さんは突然私の足を持ち上げていた手を離して、

「邪魔。」

そう呟いたかと思うと、ぐっと私の手を、口から引き剥がした。
「っあ!・・・だ・・・だ、め!・・・・っ!」
声を抑えられる程、仲崎さんのえっちは優しくない。
押さえるすべを失った嬌声は、ただ部屋に響くだけで、
「な、なか・・・・っふぁ!」
反論の言葉を口にしようとすると、私の手首を掴む手の力が、いっそう強くなる。




「るか、こっち見ろ。」
「―――――――っや!」




仲崎さんの声と共に、角度を変えて中を擦ってくる。
それがまた、私の弱いとこ。







ローターでほぐされ、敏感になってたソコは、まだまだ刺激を欲しがっていて。


激しい律動。


仲崎さんのする事は一々変態っぽくて、不満たっぷりで、でも、私を悦ばせる。







ただの玩具にこんな甘い快楽を与え続ける仲崎さんの本心が、イマイチ分からない。


けど、今はただ私の身体が、仲崎さんを求めている。






「っぁあ!・・・な・・かざ、き・・・さっ!」
意味も無く名前を呟き、ふと、仲崎さんを見上げる。

少し息の上がった、切ない表情。

職場の中で私だけが知ってる、この顔は、卑怯な程甘く、私の心を揺さぶる。




仲崎さんを求めてるなら、今だけ、この人を好きになれば良い。
「るか・・・・っ」
そして、今だけ“あの人”を忘れるんだ。
「ぁ・・・・っあん!・・・・ひゃっ!」






私は喘いでるだけで、仲崎さんは私の名前を呼ぶだけ。






お互いが一体何を考えてるかなんて、こんな数文字のひらがなじゃ分からない。










ただ、分かるのは。




「ぁあん!!!」












私の中で、この人が“敵”じゃなくなった事、だけだ。